ホールデンさんにまつわる、2・3の事柄

〜アフリカのお話Vol 1〜

今夜はホールデンさんの話をしましょう。

1999年11月、僕は南アフリカ共和国・ケープタウンに来ていました。在ジンバブエ国日本大使館
よりの出張で公用物資調達の為でした。

先ずは食料、これは「ティスト・オブ・ジャパン・マグノリア」で仕入れる。海苔とか日本の
乾物関係が手に入ります。社長は日本びいきのブーア人(オランダ人)
ジンバブエは魚がない、全くではないけれど生食できる魚は何処にもないのです。
だけれどケープタウンにはある、それはもう山のようにある。何故ならば日本のマグロ漁船がこんな地球の端っこに集結しているからです。そう、ケープには遠洋漁業の基地があるから。
そこは「日漁連」と言い無理を言って冷凍されたブロックをわけてもらっていました。

そして今回はワインの買い付けです、ご存知の通り南アフリカは世界に名だたるワインの産地。
天皇誕生日他ジンバブエの公邸での晩餐会に使う為のワイン探しも重要な仕事でした。
それまではヨーロッパのデンマークにある輸入業者を使っていましたが半年ばかり荷物が全く
届きません。どうやらトラブルが発生している様子。

今までに南アフリカから直接ワインを仕入れたことが無い
為、僕が業者を開拓すべく派遣された訳です。

最初に向かったのは「ターブル・ベイ・ホテル」ウォーターフロ
ントの最高級ホテル。
支配人に名刺を渡し、ワインの買い方を知りたい旨伝えると
若手のソムリエを1人付けてくれました。そしてホテルのワイン
カーヴへ連れて行ってくれ「好きなものを試飲して下さい、彼に
頼めばオーダーも致しますよ」と、最高のスタートだったです!!
彼には酒屋も紹介してもらい狙っていた「ルビコン」も手に入れ
ることが出来ました。
在庫がない分は後日僕が車で取りに来ると約束しこの日は終了。

帰国前日にベイ・ホテル→酒屋→食料品店へとタクシーで回り最後に宿舎のホテルにて
全部の荷物を倉庫に保管してもらいました。これで4日間の出張は無事終了です。
今夜はゆっくり休み明日はジンバブエ、そんな日の夜の事でした。


ウォーターフロントのグリル・レストランで1人食事を済ませ宿舎へ戻ってきた僕は
衝動買いしたニューバランスのシューズを部屋に置きホテルのバー・カウンターへ。

ここ数日の出来事を反芻し、且つ仕事の洩れが無いか考えつつ無事終わったミッション
への祝杯をあげようって魂胆です。
バーテンダーに「グラス・オブ・ワインをレッドで!!」とオーダー、出てきた大振りのグラス
にはなみなみと濃い赤ワインが注がれました。 「ウマイッ!っーか濃ゆいっ!」
などと舌鼓をうっていると1人の白人が隣の席にやってきて・・・「ここは空いていますか?」
と、英語で尋ねてこられた。「イェス・勿論、どうぞ」などと僕。

こんな時は会話は決まっている「ユー・フロム」だ。 どっから来たの?とお互いに自己紹介。
彼はホールデンさん、僕はオクミさん。
英国人だった、年の頃は60を軽く過ぎているだろうか? 僕は
JAPANと答えたら英国紳士は
「オオ、日本ノカタデスカー!!」と突然日本語で話し始めたのです。

あまりにも流暢な日本語なので「何年日本に居られたのですか?」と聞くとニャリとして・・
きっと貴方より永いですよ」とフフと笑った。
話を聞くとWW2 つまり第二次世界大戦後直ぐに日本へ来たそうです。
最初の印象は「オー、ナニモナイネー」。 そこで果物のカンズメを輸入する事を考え、会社
を興したのでした。
名刺を貰うとそこには「
ゴールドリーフ株式会社」と書いてありました。間抜けなことに僕は
この会社を知りませんでしたが、日本に帰って来て製菓材料屋へ行くと必ず置いてある程の
有名なブランドでびっくりしました。
勿論過去にそうとは知らず自分でも使っていたのですから!!

そんなこんなで話は盛り上がりホールデンさんの昔話や世界を回った話を聞いて僕もジンバブエの滝
「ビクトリア・フォールズ」の話をしました。
やおらホールデンさんが「オクミさん、世界の3大瀑布を知っていますか?」と質問してきた。
こんなことは子供でも知っている、少なくとも「徳川幕府」や「江戸幕府」は含まれない。

先ずはビクトリア・フォールズ、そしてイグアスの滝(南米)もうひとつはナイアガラと言いかけた時
彼はこう言ったのさ「
それはね、バイアグラの滝!!」 アホなおっさんであった。
こういう人は大好きであるよ小生は。

ひとしきり話も終わりお開きとなった、明日の朝食も一緒に食べよう、と約束して。
ちなみに赤ワイン2杯と白ワイン1杯を有難くご馳走になりました、いささか飲みすぎたカモ。

翌朝一緒に朝食を食べながらビジネスのヒントを聞こうと「成功のコツは?」するとホールデン
さんは「楽しむこと」そして「信じること」と教えてくれた。
そして話の途中僕がミルクティーに砂糖を入れたら「
モーニング・ティに砂糖を人は何故入れるようになったのでしょうねぇ」などと苦言を呈された以外はいたって平和な朝食でした。 
すんませんなミスター。 甘党なもので♪ 以後僕は入れなくなった。 美味いですね。

食後二人とも忙しく僕は荷造り、ホールデンさんはカンズメの果物の手配に取り掛かった。
握手をしてバイバイ!! 爽やかなものだ、いい思い出になった。


だから
Bistro ZEBRAにはドリンクメニューに「ゴールドリーフ・スペシャル」と言うカクテルが
あるのです。
ご馳走になったアフリカの赤ワイン80cc、
ゴールドリーフ社のマークであるオレンジのジュース
をグラスに注ぎ軽くステァ、オレンジもしくはグレープフルーツのスライスを乗せる。
ホールデンさんは日本人のワイフがおり某温泉地に家がある。
だから彼が好きな「オリエンタル」のスパイス、「丁子」つまりはクローヴ。 その先端の種子を
指で潰しスライスオレンジの上に振りかける。 いい香りだ

世界の何処にも無いゼブラのオリジナル、そう世紀末のあの日の記憶の味がします。

    ありがとう、ホールデンさん!!楽しい時間を。  良い出会いをありがとう、アフリカ。

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カンプスベイのアザラシコロニー 
上陸は出来ません、船から見ると海一面
がアザラシ、ケープ・ファー・アザラシですって。

ペンギンのコロニーもあります。石田純一では
ありません。ゼブラです

アフリカ最南端・ケープポイントにて撮影

この辺